お子さまが保育園や幼稚園に通い始める頃になると、「年少」「年中」「年長」という言葉をよく耳にするようになります。
しかし、いざ自分のお子さまの学年を説明しようとすると、基準がややこしくて戸惑われる方も多いのではないでしょうか。
今回は、「年少・年中・年長」の区切り方や、「満年齢」と「数え年」の違い、そして「早生まれ」の考え方について、法律上の根拠も交えて分かりやすくご説明します。
年少・年中・年長は何歳から?
まず大切なのは、「基準日が1月1日ではなく4月1日である」という点です。
学校や幼稚園の学年は、4月1日から翌年3月31日までを1年として区切りますので、4月1日時点の年齢で判断します。
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4月1日時点で満3歳 → 年少
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4月1日時点で満4歳 → 年中
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4月1日時点で満5歳 → 年長
例えば、2021年3月5日生まれのお子さんの場合、2024年4月1日の時点で満3歳となっていますので、その年度は「年少さん」となります。
そして、翌年の2025年4月1日には満4歳となりますので、次の年度は「年中さん」となります。
学年と早生まれの関係
たとえば、2018年4月1日生まれのお子さんは、2024年3月31日24時の時点で満6歳に達します。したがって、2024年4月1日から小学校に入学します。
一方、2018年4月2日生まれのお子さんは、満6歳になるのが2024年4月1日24時ですので、最初に迎える4月1日は2025年4月1日となり、入学は1年遅れることになります。
このため、4月1日生まれは学年の中で最も遅く生まれた子、4月2日生まれは最も早く生まれた子になります。
なお、1月1日から4月1日までに生まれた子は「早生まれ」と呼ばれます。これは「同じ年に生まれた子より早く学校に入学する」ことに由来します。
満年齢の正しい数え方
法律上の年齢は、誕生日の前日が終わった時点で加算されるとされています(民法143条)。
たとえば、4月1日生まれのお子さんは、3月31日24時の時点で1歳年を取ったことになります。
この取り扱いにより、誕生日が4月1日の子は学年の一番「遅い生まれ」となり、4月2日の子は学年の一番「早い生まれ」となります。
数え年との違い
「数え年」は昔からの年齢の数え方で、生まれた時点を1歳とし、正月を迎えるごとに1歳を加えます。
したがって、誕生から間もなく正月を迎えた場合、満年齢では0歳でも、数え年では2歳となることもあります。
現在では戸籍や学校、各種手続きはすべて満年齢で扱われます。
かつては還暦や喜寿などの長寿祝いも数え年で行われていましたが、近年は満年齢でお祝いするのが一般的になっています。自治体からの記念品やお祝い金も満年齢基準です。
まとめ
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年少・年中・年長は、4月1日時点の満年齢で判断する。
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学校教育法により、4月1日生まれは「早生まれ」として前の学年に含まれる。
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年齢は法律上、誕生日の前日終了時点で加算される。
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数え年は昔の慣習で、現在は原則として満年齢が使われている。
お子さまの学年や年齢区分は、進学や入園だけでなく、各種制度や手続きにも関わってくる大切なポイントです。
「早生まれだから損をするのでは…?」と心配される方もいらっしゃいますが、成長のスピードには個人差があり、学年の枠はあくまで制度上の便宜にすぎません。
ぜひ正しい基準を知っていただき、お子さまの成長を安心して見守っていただければと思います。
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司法書士実務における年齢の取り扱い
ここまで「年少・年中・年長」や「早生まれ」についてご説明しましたが、私たち司法書士の業務においても、年齢の数え方は大変重要です。
1. 戸籍における生年月日の記載
戸籍には「生年月日」が正確に記載され、その情報が年齢計算の基礎となります。
たとえば、相続登記を行う際には、被相続人や相続人の戸籍を通じて「何歳で亡くなったのか」や「法定相続人となる子が未成年かどうか」を確認します。
2. 成年・未成年の判断
相続登記や贈与契約において、未成年者が関与する場合には親権者の同意が必要になります。
この「未成年」の判定も、民法の定める「誕生日の前日で年齢が加算される」というルールに基づきます。
たとえば4月1日生まれの子は、3月31日をもって18歳・20歳(成年年齢)に達したものと扱われます。
3. 相続・登記手続きにおける実務例
相続登記で「被相続人の子が未成年のため特別代理人を選任する必要があるか」など、手続き上の重要な判断にも、年齢の解釈が関わってきます。
また、会社登記や成年後見に関する手続きでも、年齢の計算が正確でなければ法務局に受理されないケースがあります。
まとめ
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年少・年中・年長は4月1日時点の満年齢で決まる。
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「早生まれ」は1月1日〜4月1日生まれを指す。
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年齢は法律上「誕生日の前日終了時点」で加算される。
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戸籍・相続登記・会社登記においても、この年齢計算ルールは厳密に適用されている。
教育や子育てに関する年齢区分は、生活に直結する大切な知識ですが、司法書士実務でも避けて通れない重要なルールです。
正しい理解を持つことは、安心して手続きを進めるためにも欠かせません。