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高齢者の免許更新手続と注意点|道路交通法改正

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平成29年3月12日、高齢者の運転免許の更新制度が改正されました。
今回、道路交通法改正の内容や、影響について解説していきます。

まず、昨今はニュース等で報道されているとおり、高齢者の運転による事故が問題となっています。

日本の運転免許保有者は8215万人で、日本の人口が1億2700万人のため、およそ3人に2人が運転免許を持っている計算です。
その中で、65歳以上の保有者は1700万人で、保有者全体からすると約20%に過ぎません。

また、以下の表をご覧頂きますと、交通事故死者数は以下のとおり減少傾向にあります。

しかし、65歳以上の高齢者死者数の割合は、常に全年齢の50%前後で推移しています。

運転免許保有者全体で20%の割合である高齢者が、死者数の50%を占めるのは見過ごすことができません。
そのため、このたび道路交通法が一部改正されることになりました。

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道路交通法の改正内容は?

道路交通法改正により、高齢者の免許停止や取り消しの要件が厳しくなりました。

まず、70歳以上の方が免許更新をされる際には「高齢者講習」が行われます。
75歳以上の方の場合は、高齢者講習と別に「認知機能検査」(講習予備検査)も義務づけられます。

75歳以上の方の免許更新の流れは、以下のとおりです。

  1. テスト(認知機能検査)により記憶力や判断力が測定されます。
  2. 認知機能検査で記憶力や判断力が低くなっていると判定された場合、高齢者講習の前に、医師の診断を受けます。
  3. 医師の診断で『認知症』の結果が出ると、免許停止もしくは取り消しになります。

道路交通法改正前は、認知機能検査で記憶力や判断力が低下していると判定されても、一定期間内に一定の交通違反がない限り免許の更新が可能でした。
改正後は、交通違反の有無に関わらず、記憶力・判断力が低下していると判定されれば免許停止又は取り消しとなります。

運転免許証がない場合の問題点と影響について

地方では、車がないと生活に支障をきたすことが考えられます。
代替措置が充分に整備されていない状況では高齢者の自由が制限されるため、免許停止には慎重な判断が求められます。

なお、この問題を解決するためには、自動運転の実現が最善の道かもしれません。
現在は自動運転の実現に向けて、米インテルや日産自動車の提携等が行われており、技術としては「部分自動運転」に留まりますが、今後進歩するでしょう。

安全性や法律上の問題等はありますが、自動運転により生活がより便利になることが望まれます。

さいごに、運転免許証は行政手続等の際の本人確認書類としてもよく使われます。
運転免許証がない場合は保険証等で対応することも可能ですが、運転経歴証明書でも構いません。

運転経歴証明書は、運転免許証を自主返納する際に申し出ることで交付されます。
なお、この運転経歴証明書の交付件数は、平成28年時点で23万6000件となっています。

以上、高齢者の運転免許の更新制度について、道路交通法改正の内容等について解説しました。