成年後見業務では、高齢者だけではなく、障害者の方を支援することも多くあります。
その中で身体障害者手帳をお持ちの方も少なくありません。

今回は、身体障害者手帳の仕組みや制度の一般的な内容をまとめました。
参考にしていただければ幸いです。

目次

身体障害者手帳の制度

身体障害者手帳は、身体に障害のある方が保護や援助を受けるために利用します。
身体障害者手帳には、1級から6級の等級が定められています。

等級により差はありますが、身体障害者手帳があると、様々な保護・援助が受けられます。
身体障害者手帳の等級は1級が一番重い障害で、6級が軽度の障害です。

なお、身体障害者手帳は申請をしなければ発行されません。
申請の際は、指定医師の作成した診断書や本人の写真・印鑑などが必要です。

身体障害者手帳で受けられる保護・援助は?

身体障害者手帳を持っていると、様々な保護や援助が受けられます。
以下は受けられる支援の一部です。

  • 所得税・住民税の割引
  • 障害年金・特別障害者手当などの手当
  • 新幹線の料金割引
  • 医療費の助成

身体障害者に支給される障害年金とは?

傷病の程度により、身体障害者には障害年金が支給されます。
障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。

障害年金の受給条件は、障害の原因となる病気や怪我の際にかかった初診日において、
国民年金や厚生年金に加入していることです。

申請は原則、障害基礎年金は市区町村、障害厚生年金は年金事務所で行います。

国民年金の納付要件を満たしていない場合、障害基礎年金は支給されません。
保険料の未納・滞納がある方は、管轄の年金事務所にご相談ください。

障害年金は、原則、初診日から1年6ヶ月後に支給されます。

なお、障害年金は、障害等級認定基準に基づき、
障害別に1級から3級までの等級が定められています。

これは身体障害者手帳の1~6級までの等級とは関係がありません。
そのため、身体障害者手帳が4級等であっても障害年金を受けられる場合があります。

例えば、以下が障害厚生年金3級を受けられるケースです。

  • 両目の視力が0.1以下
  • そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
  • 身体・精神・神経系統などに、労働が著しい制限を受ける障害を残すもの

障害基礎年金の額については、平成30年4月分から
【1級】779,300円✕1.25+子の加算
【2級】779,300円+子の加算

と定められています。
障害基礎年金には3級はありません。

障害厚生年金も等級により金額が定められており、
3級の場合、年額約68万円です。

身体障害者手帳についてまとめ

身体障害者手帳を持つことを恥ずかしいと考える方もおられますが、
普段の生活で手帳を持っているかどうかはまず分かりません。

ただし、就職活動の際は履歴書の健康欄にきちんと書く必要があります。
申告しなければ会社から罰則を受ける可能性もありますので、ご注意ください。

身体障害者手帳は、障害のある方にとって生活の支えです。

必要な援助や保護が受けられないことがないよう、
家族や周りの方が身体障害者手帳の仕組みを理解することが望まれます。

以上、身体障害者手帳の仕組み・制度についてでした。

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