「子(孫)に、年間110万円以上のお金を贈与したい・・・」

 

そんな時に気になるのが、贈与税。

贈与税額の計算をしておかなければ、思いがけない課税通知が自宅に届く可能性があります。

 

今回は、贈与税について、申告・納税の期限や課税方法など、一般的な内容を解説します。

あなたの参考になりましたら幸いです。

目次

贈与税の申告と納税はいつからいつまでに行う?

贈与税の申告と納税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行わなければなりません。

 

なお、贈与税額が10万円を超え、かつ、納付期限までに金銭で納付することが困難な事情があれば、

申請により5年以内の年賦で納める延納制度があります。

 

ただし、延納制度を利用した場合は利子税がかかり、担保の提供を求められることもあるため、

できる限り期限内に納税することがお勧めです。

備考
贈与税は、財産を贈与した人と贈与を受けた人の間で連帯納付の義務があります。

なお、不動産を贈与された場合は、不動産取得税が別途かかります。

贈与税の課税方法には2種類がある

個人から財産をもらったときは贈与税の課税対象となりますが、贈与税の課税方法には2種類あります。

それは、「暦年課税」「相続時精算課税」

 

贈与を受けた人(受贈者)は、贈与をした人(贈与者)ごとにそれぞれ課税方法を選択できます。

贈与税の暦年課税とは?

贈与税における「暦年課税」とは、1年間に贈与を受けた財産の合計額を基に贈与税額を計算するもの。

 

1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた財産合計額から、

基礎控除110万円を控除した後に税率(10~55%)をかけ、一定の額(10~640万円)を控除します。

暦年課税の贈与税額計算式
(贈与を受けた額-110万円)☓税率-控除額=税額

 

例えば、贈与を受けた財産合計額が110万円であれば、基礎控除110万円を控除するとすでに0円となるため、

申告する贈与税額はありません。

 

また、20歳以上の受贈者が父母や祖父母から贈与を受けた場合、特例贈与財産として通常より贈与税が低くなります。

500万円の贈与を受けた時、通常の贈与税額は53万円ですが、特例贈与財産の場合の贈与税額は48万5,000円です。

配偶者からの贈与の特例

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で居住用不動産(マイホーム)等の贈与があった場合には、

一定の要件にあてはまれば、贈与税の申告をすることにより基礎控除110万円の他、最高2,000万円の配偶者控除が受けられます。

贈与税の相続時精算課税とは?

「相続時精算課税」とは、贈与を受けた時、特別控除額及び一定の税率で贈与税を計算し、

贈与者が亡くなったときに相続税で精算するもの。

 

相続時精算課税の対象者は、贈与者が60歳以上で、受贈者は20歳以上、かつ、贈与者の子や孫

である必要があります。(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)

 

相続時精算課税を利用しようとする受贈者は、贈与税の申告期間内に、

相続時精算課税選択届出書を贈与税の申告書に添付して所轄税務署に提出しなければなりません。

注意点
一度この相続時精算課税を利用すると、その後、同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」への変更は認められません。

住宅取得の際の贈与税の特例とは?

父母や祖父母などから住宅取得のための資金の贈与を受けた場合で、一定の要件を満たす時は、

「住宅取得等資金の非課税」と「相続時精算課税選択」の特例を受けることができます。

 

なお、住宅取得等資金の非課税を受けられるのは、平成27年1月1日から平成33(2021)年12月31日までの間に

父母等から住宅取得等のための金銭の贈与を受ける場合です。(2018年12月31日時点)

 

住宅取得等の際の非課税の特例を受けるためには、贈与税の申告期間内に、贈与税の申告書に

「住宅取得等資金の非課税」の適用を受ける旨を記載し、一定の書類を贈与税の申告書に添付して税務署に提出しなければなりません。

教育資金や結婚・子育て資金の贈与でも、贈与税は非課税になる

平成31年3月31日までの間、父母や祖父母から教育資金や結婚・子育て資金の贈与を受けた場合、

金融機関等を通じて一定の手続を行うことにより1,000万円又は1,500万円までが非課税となります。

まとめ

贈与税の税率は最大55%のため、税額を理解せず贈与すると大変な事態になります。

そのため、安易に年間110万円以上の贈与をせず、不安な場合は税務署または税理士にご相談ください。

 

以上、贈与税について、申告・納税の期限や課税方法など、一般的な内容を解説しました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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