会社の役員(取締役・監査役・代表取締役など)が変わるとき――。
「登記って何をするの?」「どんな書類がいるの?」「うちは取締役会がある?ない?」
はじめてだと、わからないことだらけですよね。
でも大丈夫。役員変更の登記は、流れをおさえればきちんと進められます。
この記事では、専門的な法律用語をなるべく使わず、はじめて手続きされる方でも安心して読める形でポイントをご紹介します。
まずは「会社のいま」を一緒に確認します
役員変更の登記は、どの会社も同じではありません。
会社の“これまで”と“いま”によって、必要な手続きや書類が少しずつ変わります。
はじめに私たちが確認するのは、たとえば次のようなことです。
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登記簿(閉鎖事項も含む)…設立、本店移転、商号変更、組織変更などの履歴
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定款(ていかん)…「取締役会を置く会社か」「代表取締役は誰が選ぶのか」などのルール
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株主名簿…だれが株主で、どのように決議するのか
この「現状確認」を丁寧に行うことで、ムダのない最短ルートが見えてきます。
よくあるご相談の場面
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代表取締役が交代する/代表を追加する
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取締役の就任・退任・再任
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監査役の就任・退任
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役職の変更(会長・社長・専務等の役職名を新設・変更)
一見シンプルに見えても、どの会議で、どのように決めるかは会社ごとに違います。
取締役会を置いているかどうか、定款に特別な定めがあるかなどで、必要な書類や流れが変わるからです。
会議の決め方と「議事録」
役員変更は、株主総会や取締役会での決議をもとに進めます。
たとえば代表取締役の選定は、
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取締役会のある会社なら取締役会の決議で
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取締役会のない会社なら株主総会の決議で
といった具合に、会社のルール(定款)に合わせて決めていきます。
会議で決まったことは議事録にまとめます。登記では、この議事録がとても大切な書類になります。
そのほかに必要になること
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就任承諾書…新しく就任する方が「引き受けます」と署名する書類
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辞任届…退任される方が提出する書類
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本人確認に関わる書類…ケースにより、マイナンバーカード等での確認や、電子署名を使う場面もあります
最近は、書類を電子データで作成し、電子署名(マイナンバーカード等)を付けて手続きできる場面も増えています。
紙での作成がいいのか、電子が便利なのか――会社の体制やメンバーのご状況に合わせてご提案します。
代表取締役の「住所の一部を非表示」にできる制度
ご希望があれば、代表取締役などの住所の一部を登記簿の証明書で非表示にする手続きもご案内できます(要件あり)。
「個人情報の扱いが心配」という方にとって、安心につながる制度です。
対象や要件、必要な添付書類は会社の状況によって異なりますので、個別にご説明します。
期限と「過料(かりょう)」について
役員変更の登記には期限があり、遅れてしまうと過料(罰金に似たもの)の対象になることがあります。
「気づいたらだいぶ日が過ぎていた…」ということがないよう、できるだけ早めのご相談をおすすめします。
(実際の期限やリスクは、会社の状況と変更内容によって変わります。初回のヒアリングでわかりやすくご説明します。)
ご依頼から登記までのながれ(イメージ)
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ヒアリング…変更内容やご希望、スケジュール感を伺います
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会社の現状確認…登記簿・定款・株主名簿などを確認し、必要な会議と書類を整理
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議事運営のサポート…株主総会や取締役会の進め方・議案内容をご提案
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書類作成…議事録、就任承諾書、辞任届などを丁寧に整えます(紙/電子は会社に合わせて)
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登記申請…必要書類をそろえて申請。完了後は、登記の内容をご報告します
はじめての方でも迷わないように、ひとつひとつの意味をかみ砕きながらご案内します。
必要に応じて、電子署名やオンラインでのやり取りもサポートいたします。
よくいただく質問
Q. うちは取締役会があるのか、ないのかよく分かりません。
A. 定款や登記簿を拝見すれば分かります。会議の持ち方や議事録の形も、こちらで丁寧にご説明します。
Q. 議事録は紙じゃないとダメですか?
A. 会社の状況によっては、電子データに電子署名という方法も選べます。向き・不向きがありますので、最適なやり方をご案内します。
Q. だれの本人確認が必要ですか?
A. 変更内容によって、役員ご本人や会社の「オーナー情報(実質的に会社を支配している方)」の確認が必要になる場合があります。法律に基づく確認で、手続きを安全に進めるためのものです。
さいごに――“会社の節目”を、安心して
役員の交代や体制の見直しは、会社にとって大切な節目です。
書類や段取りは少し複雑に見えるかもしれませんが、正しい道筋で整えていけば大丈夫。
私たちは、会社の歩みに寄り添いながら、最短で・確実に・安心して登記が完了するようお手伝いします。
「うちは何から始めればいい?」
「このケースはどの会議で決めるの?」
「紙と電子、どっちが向いている?」
小さな疑問も、遠慮なくお聞かせください。会社の“いま”に合わせて、いちばん楽で確実なやり方をご提案します。