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遺言をお勧めする4つのケース~遺産分割で悩まないために~

相続・遺言

あなたは、遺言についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。

もしかすると、「遺言は財産を持っている人だけの話」「自分はまだ若いので関係ない」と考えておられるかもしれません。
しかし、遺言に対する世の中の意識は変化しており、遺言書を作成する人口は増加しています。

日本公証人連合会の統計では、平成19年1月から12月までの1年間に全国で作成された遺言公正証書の数は7万4,160件でした。
それが、平成28年には10万5,350件までに増えています。

遺言書は必ず作成しないといけないわけではありませんが、遺言の知識を持っていて損はありません。
今回の記事では、遺言書作成をおすすめする4つのケースをご紹介します。

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遺言書作成をお勧めする4つのケース

弊所では、遺言について考えることは、財産の内容や年齢に関係なく大切であると考えております。
その理由は、親族間の相続争い(争族)やトラブルを未然に防止できる可能性が高いためです。

遺言がないことで共同相続人の関係が悪化し、争族に発展するケースは少なくありません。
「家族の絆があるため、うちは相続で揉めるはずがない」と考えていても、遺産分割では互いの利害が絡み合います。

そこで、大切な家族を守るため、以下の4ケースでは遺言を遺されることをおすすめします。

  1. 法定相続分と異なる割合で相続させたい
  2. 推定相続人が「配偶者と本人の兄弟姉妹」の場合など、遺産分割協議の難航が予想される
  3. 推定相続人以外に遺産を渡したい(内縁の配偶者、公共的な団体、療養看護してくれた人等)
  4. 事業用の資産や株式がある

法定相続分と異なる割合で相続させたい

まず、1の「法定相続分と異なる割合で相続させたい」場合は遺言が必須です。
遺言がなければ、願い通りに相続人が遺産分割協議をしてくれるとは限りません。

遺言では、推定相続人(配偶者、子等)の経済力や健康状態、年齢などに応じて相続割合を決めることができます。
なお、配偶者や子供、親には遺留分が認められていますのでご注意下さい。

推定相続人が「配偶者と本人の兄弟姉妹」の場合など、遺産分割協議の難航が予想される

次に2の、推定相続人が「配偶者と本人の兄弟姉妹」の場合など、遺産分割協議の難航が予想される場合です。

本人の子や親が先に死亡している場合、相続人は「配偶者と本人の兄弟姉妹」になります。
配偶者と本人の兄弟姉妹の関係は親密でないこともあり、遺言を遺すのが家族に対する優しさともいえます。

また、本人の兄弟姉妹が既に死亡しており甥・姪がいる場合、甥・姪が相続権を引継ぎます。(代襲相続)

配偶者と本人の甥・姪との関係は、本人の兄弟姉妹との関係よりも希薄であるのが通常です。
そのため、2のケースでも遺言を遺して置かれることをお勧めします。

推定相続人以外に遺産を渡したい(内縁の配偶者、公共的な団体、療養看護してくれた人等)

そして、3の「推定相続人以外に遺産を渡したい」場合はどうでしょうか。
このケースでも、遺言がなければ被相続人の遺志が実現される可能性は極めて低いと考えられます。

故人が生前に「遺産の一部を寄付してほしい」という願いを持っていたとしても、相続人には伝わりません。
しかし、遺言をきちんと作成していれば、推定相続人以外に遺産を渡すことが可能です。

なお、遺言では、故人の遺志を実行する「遺言執行者」を定めることもできます。
遺産相続の手続は複雑である場合も多いため、弁護士・司法書士等の専門職を遺言執行者に定めておくと安心です。

事業用の資産や株式がある

最後に、4の「事業用の資産や株式がある」ケースでも遺言をお勧めします。
遺言がなければ、株式等は法定相続分に従って分割されるのが原則です。

事業用の資産や株式をどう分割するかの話が相続人間でまとまらなければ、事業継続も危ぶまれます。
しかし、遺言で事業用資産や株式の相続人を定めておくことでスムーズな事業承継が期待できます。
以上が遺言をお勧めする4つのケースです。

相続を考える機会は増えている

最後に、相続に関する世の中の変化についてご紹介します。
大きな変化としては、相続税の基礎控除額引き下げが挙げられます。

平成27年1月1日から、相続税の基礎控除額が40%も減額されました。

相続税改正:5,000万円+(1,000万円☓法定相続人の数)
相続税改正:3,000万円+(600万円☓法定相続人の数)

相続税の課税対象者の範囲が広くなったため、相続税の申告件数が急増することになりました。
同様に、相続対策を検討しなければならない人口も増加しています。

また、財産も以下のように複雑化してきており、法制度はめまぐるしく変化しています。

  • 空き家問題
  • 家族信託の普及
  • 仮想通貨の急成長
  • NISA・ジュニアNISAのような個人投資家への優遇制度による投資財産の拡大

財産が複雑化すればするほど、財産をどのように相続させるか考える機会が多くなります。
その時、遺言書の作成について考える方は少なくないでしょう。

まとめ

遺言の種類には「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」などがあり、作成方法は法律で厳格に定められています。
自筆証書遺言を作成される場合は特にご注意下さい。

また、遺言書の作成にあたっては、遺留分や特別受益についても検討が必要です。
迷われた場合は弁護士・司法書士・行政書士等の専門家にご相談されることをお勧めします。

西宮の司法書士・行政書士今井法務事務所では、遺言書に関する相談や作成のサポートを行っております。
遺言についてお悩みの場合は、お電話又はメールにてお気軽にご相談ください。

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